死神博士の正体、実は……

 

ショッカーの最高幹部・死神博士の正体がイカデビルであったことは、「仮面ライダー」を見ていた人なら誰でも知っておられると思いますが、その死神博士の正体、当初の予定ではイカデビルではなく、ギリザメスだったということは、知らなかった人も多いのではないかと思います。

当初は、第66話で死神博士がギリザメスに変身し、ライダーと戦う予定でした。ところが、65話目の撮影が終わったあと、藤岡弘さんは、他のドラマの出演問題がこじれ、失踪していたそうです。第66〜67話は、急遽、藤岡さんの出演シーンを不要とするシナリオに変更されました。そして、その2話に登場する怪人なのですが、まず、第66話は、劇場用作品にのみ登場するはずだったカミキリキッドを登場させ、更に、5人の怪人を再生させて、登場させました。そして、第67話は、衣裳作成等の関係か、死神博士の正体となるはずだったギリザメスを登場させてしまいました。

「仕方がない」と言えばそれまでなのかもしれませんが、その応急処置は、番組にとってマイナスになったと言えます。映画「仮面ライダー対地獄大使」で初登場するはずだったカミキリキッドを、映画が公開される前にテレビに登場させたのは、同映画が前作映画「仮面ライダー対ショッカー」を凌駕するまでの印象がなかった、大きな原因と言えるでしょう。そして、死神博士の正体・イカデビルですが、確かに、イカデビルはライダーを苦しめた超強力怪人でしたが、モチーフが烏賊では怖さを感じません。もし、ギリザメスであれば、超強力で尚且つ怖さも感じ、最高幹部の変身怪人にふさわしいと思います。それに、ギリザメスは、最高幹部の変身怪人として脚光を浴びるはずだったのに、一転して一介の強力怪人に“格下げ”されてしまい、かわいそうな気さえします。

でも、このようなエピソードがあったからこそ、「仮面ライダー」は、今でも多くの人々に語り継がれる、永遠の名作になったのでしょうね。将来、我々が居なくなったあとも、後世に語り継がれ、永久に不滅であると信じます。


この記事は、本などを見ながら作成したものであり、ぼく
自身はスタッフとは何の関係もありません。(念のため)


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